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法学部の内容と適性と進路についてわかりやく解説

法学部とは

法学部は法について学ぶ学部です。法学部の中には政治学科やビジネス法務を開設している大学もありますが、ここでは一般的な法律学科について述べていきます。

なお、筆者は近代法と近代経済と近代政治について解説した社会科学の本を商業出版しており、学生時代には法学系と経済学系と政治学系を履修していますので、ここでの記述もある程度信頼いただきたいと思います。

 

まずは憲法と民法と刑法から

法学部は法について学ぶ学部ですから、法なら何でもありかといえば、とくに教養課程(1・2年生)ではあまりありません。法学部の教養課程は、憲法と民法と刑法という基礎的で、数ある法の中でも主要といえる地位を占める法を中心に学ぶことが普通です。

基礎を固めてから応用に向かっていく、これはスポーツでも学問でも同じようなものです。こうした基礎的な法を学んだら、人によっては、行政法、国際法、商法、会社法、知財法、労働法などを学んでいくことにります。

法は、もとの条文それ自体には著作権がなく、広く一般に公開されていますので、たとえば憲法なら以下を参考にしてください。

elaws.e-gov.go.jp

憲法の基礎から適性がわかる

上のリンク先で憲法と民法と刑法を眺めて、これに滅入るようだったら法学部は向いていないかもしれません。

それに加えて一つ、法学部生の適性を図る条文を出したいと思います。

”日本国憲法第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。”

この条文を見たときに、「すべて国民は」というなら外国人はどうなるの?とか、「文化的な最低限度の生活」って具体的にどの程度のものなの?という疑問と好奇心が湧いてくる人は、法学部に向いているでしょう。

基礎的な法の条文にはそれぞれ通説と呼ばれる、多くの有識者によって妥当と見なされる説があり、憲法25条の対象や程度についても通説があります。この通説とそれにまつわる論争・解釈と、判例という過去の判決例の中でも先例としての拘束力をもつ裁判例を見ることが法学部の基本です。

憲法の条文はそんなに多くなく、また難易度も高くないのですが、民法は憲法の約10倍もの条文数があり、刑法は一つ一つの条文や用語が難しいです。リンク先から刑法や民法を検索して、その条文の通説・解釈・判例を探究してみたいと思った方は法学部に向いているでしょう。

法学は条文の丸暗記ではない

ここで重要なのは法学は丸暗記で対処すべきではないということです。たとえば、さきほどの憲法25条の条文を丸暗記していても、試験ではほとんど役立ちません。

法学系の試験では六法全書の持ち込みが許可されていることが多く、その試験問題も、妥当な解釈や判例を問うなど、法をきちんと理解して論理的に記述できるかがポイントになるからです。判例についても丸暗記ではなく、要点を理解していなければ高得点はとれないはずです。

それに加えて、そもそも法の条文(とくに基礎的な法)は、憲法の条文それぞれを見てもわかるように抽象的にできています。抽象的というのは、少ない条文数で社会の様々な事態に対応できるようにしてあるということです。

 

この点について、社会のどんな事態にも対応すべく条文数を多くするという方法もありますが、それでは条文数はとんでもない数に膨れ上がってしまいます。また、それでも起こることが想定できないケースも社会には存在します。そこでどんなケースにも対応すべく、条文を抽象的にするのです。

こういう抽象的な理解度や社会への応用力を試すには、丸暗記の試験問題では意味がないというわけです。

法学部では型が身につく

法学部のよいところは、経済学部と同様に明確な型が身につくことです。これは反論があるかもしれませんが、社会科学の中でも政治学や社会学はあまり型に縛られません。政治学や社会学は、よくも悪くも自由度が高いのです。

一方、法学では皆に共通の基本用語を覚えて論理的に記述するという型に縛られます。このような型は、とくに法曹や公務員、企業法務などでは役立つでしょう。

法学部卒業生の進路

法学部の進路で最も多いのは民間企業への就職ですが、他学部よりも公務員が多いのは、公務員試験では法学系の問題がやや多く、公務員としての実務も法律に沿っているからです。

大学を卒業したときに「自分は型を身につけてよかった」と思いたい人は法学部が向いているかもしれません。

なお法学の型は「言葉と歴史と社会の論理に沿った型」という感じですが、経済学の型は「数学全般とそれぞれの理論モデルに沿った型」という感じです。経済学は文系の一角と見なされながらも、理系の要素も少なからず入った分野だということを覚悟しておく必要があります。

大学では型を身につけるべきか

以上をご覧いただくと、型に縛られない政治学や社会学の方がいいなと思った人もいるでしょう。しかし、型に縛られない学問を志すとしても、入門段階では型を知って、ある程度身についたら型を破っていくという方策もよいかもしれません。

また法曹や法学者のような専門職をめざすなら法学部がふさわしいですが、それをめざさないのなら、筆者のように社会科学全般を履修するというのもありでしょう。大学時代の貴重な4年間を有意義に過ごしていただけたらと思います。

こちらのリンクも参考になるかと思います。

www.sociallog.net

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